フトアゴヒゲトカゲはオーストラリアの乾燥地帯に生息するトカゲで、自然界では太陽の光を浴びて体温を調整しています。
飼育下でも、適切な日光浴をさせてあげることで健康を維持し、活発に過ごせるようになります。
この記事では、バスキングスポットの作り方や、室内と屋外での日光浴の利点と注意点について詳しく解説します。
フトアゴヒゲトカゲにとって日光浴がなぜ大切か?
フトアゴヒゲトカゲの健康には日光浴が非常に重要です。 太陽光に含まれる紫外線B(UVB)が、ビタミンD3を生成するために必要であり、これがカルシウムの吸収を助けるためです。
適切なUVBを得られないと、フトアゴヒゲトカゲは以下のような病気のリスクが高まります。
- くる病
- 骨軟化症
また、日光浴は 体内の代謝を促進し消化機能を活発にする役割も果たします。日光浴が不足すると、フトアゴヒゲトカゲは活発さを失い、免疫力が低下する恐れがあります。
バスキングスポット を適切に設置し、室内でも太陽光に近い環境を再現することが必要です。
紫外線不足がくる病や骨軟化症の原因になる
くる病は骨の異常や発育不全を引き起こすくる病気のことです。骨軟化症は骨の強度が低下し、柔らかくなる病気です。
くる病や骨軟化症の主な原因は3つに分類されます。
カルシウム不足
骨の成長や強化に必要なカルシウムが不足すると、骨が軟化し、くる病を引き起こす原因になります。
ビタミンD3の不足
フトアゴヒゲトカゲは体内でカルシウムを適切に吸収するためにビタミンD3を必要とします。ビタミンD3は、紫外線B(UVB)ライトや自然の日光を浴びることで生成されます。不十分な照明環境や紫外線不足が原因でビタミンD3の欠乏が生じ、結果的にカルシウム不足につながります。
カルシウムとリンのバランスの崩れ
飼育下で与える餌の中にリンが過剰に含まれていると、カルシウムの吸収が阻害されます。カルシウムとリンの適切なバランスが崩れることで、くる病を引き起こしやすくなります。
バスキングスポットの重要性と作り方
フトアゴヒゲトカゲの飼育では、バスキングスポットをつくることで日光浴の代わりができます。
バスキングスポットは、トカゲが体を温める場所であり紫外線B(UVB)ライトと保温ライトを組み合わせて作られます。
バスキングスポットを作るための基本ポイント
温度管理
バスキングスポットの温度は35〜40℃が理想的です。フトアゴヒゲトカゲは変温動物なので、自分で体温を調整できません。温度が適切でないと消化不良や免疫力低下の原因になります。
UVBライト
UVBはフトアゴヒゲトカゲにとって非常に重要です。ライトの距離や強度を適切に調整することが重要です。
UVBライトの効果は時間と共に弱まるため、6ヶ月〜1年に1度の交換が必要です。ライトが切れるわけではないので定期的に交換しましょう。
光のサイクル
自然界の昼夜のリズムを再現するために、バスキングライトとUVBライトは1日10時間ほど点灯させ、夜は消します。夜、ライトが消えると睡眠モードに入りウトウトし始めて、しばらくすると寝ています。
私のうちのバスキングスポットはこちら
エキゾテラのソーラーグローUV 125wを使っています。
福岡にある爬虫類ショップ、アンテナさんで購入しました。6000円くらいです。
こちらはバスキングとUVBが一緒になってるタイプです。
80wも売っていますが125wの方が断然に調子が上がりました。
バスキングスポットの直下には、近所のホームセンターで200円くらいで買ってきた大きな石を2つ組み合わせて置いています。石が良い具合に温まっていて、朝起きてすぐや食後など日中はよくお腹を温めています。
今どれくらいのUVBが出ているか測ることができる、紫外線チェッカーというものも売っています。私の飼ってるフトアゴヒゲトカゲは紫外線の効果が落ちてくると、食欲が落ちてくるのでそろそろ交換の時期だとわかるので使っていません。
ライトが切れる時まで使うと紫外線量はかなり落ちてしまっているので、だいたい6ヶ月に一度は交換するようにします。
ライトは効果が落ちて必要と感じた時にネットで注文するのでは、日にちがかかりすぎるので1つは予備を置いておくのをおすすめします。
爬虫類ショップやペットショップにも置いてありますがネットで購入する方がはるかに安いです。
外での日光浴の利点と安全な方法
フトアゴヒゲトカゲが屋外で直接太陽の光を浴びるのは、自然に最も近い形で健康を促進します。太陽光は人工のUVBライトよりも強力で、より自然な形でビタミンD3の生成を助けます。
外での日光浴を行う際の注意点
安全な環境を確保
外での日光浴を行う際は、逃げ出してしまったり小さな動物や鳥に狙われないように必ず安全な場所で離れず見守ることが大切です。
直射日光と日陰のバランス
直射日光は健康に良いですが、長時間浴びすぎると熱中症のリスクがあります。必ず日陰にトカゲが自由に移動できるようにして、体温を調整させましょう。
外気温の確認
外の日光浴は、気温が適切である場合にのみ行うことが推奨されます。理想的な外気温は25〜30℃で、あまりにも暑い日や寒い日には控えましょう。
日光浴の時間
1回あたり10分〜15分の日光浴が目安です。過度に長い時間日光に当てると、トカゲにとって負担になることがあります。様子を見ながら嫌がってそうな時は早めに切り上げます。
日光浴後のケア
外での日光浴後は、フトアゴヒゲトカゲが十分に水分を取れるようにしましょう。
特に、暑い日には脱水のリスクが高まるため、ケージ内に新鮮な水を置き軽く霧吹で水を吹きかけるなどして水分補給を促すことも重要です。
我が家での外での日光浴
職場に爬虫類を置いているので、仕事の合間の短時間に時々外に出します。
シューズボックスにタオルを引いてトカゲを入れて、マンションの下の日向と日陰のあるところで、そっと日光浴させています。
「これ何ですか〜?トカゲ??え??飼ってるんですか??」と通りがかりの子どもたちによく声をかけられます。大人よりも子どもの方が目線が低いので気づくんだと思います。
このシューズボックスはダイソーで買ったものです。蓋を閉めて使うこともあるので上部には穴を開けました。フトアゴヒゲトカゲの大きさにちょうどピッタリサイズで、病院へ連れて行く時や温浴をする時などにも使いやすいです。
私は日焼けを避けたいので、紫外線をカットする日焼け止めをしっかり塗って、日陰に入りつつ、トカゲは日光の当たるところで紫外線を浴びさせています。
真夏でだいたい10分もすればトカゲが移動したがるので、そのタイミングで帰っています。
室内に戻った後は水分補給をさせます。私の飼ってるフトアゴヒゲトカゲは水皿から直接、水を飲まないので化粧品用の移し替え用のシリンジであげています。
スポイドはseriaで購入したものの先端をハサミで切って加工して使っています。ダイソーにも売っていて使い比べましたがこちらが使いやすいです。
まとめ:フトアゴヒゲトカゲにとっての日光浴の重要性
フトアゴヒゲトカゲにとって日光浴は、ビタミンD3の生成と健康維持のために欠かせない要素です。
室内でのバスキングスポットの設置はもちろん、外での自然な日光浴も、トカゲにとって非常に効果的です。
バスキングスポットと外での日光浴をうまく組み合わせて、フトアゴヒゲトカゲにとって最適な環境が提供できます。
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